大分県日田市

【所在地】　日田市刃連町641、豊後三芳駅北の小丘陵上にある。法恩寺山古墳群は7基の古墳からなり、3号墳は北側の尾根のほぼ中央に位置する。

【墳丘・外表施設】　径20mの最大の円墳。六世紀後半の築造と推定。

【内部施設】　横穴式石室は全長8m、後室長2.4m、幅2.3m、高さ2.3m、前室長1.9m、幅3m、高さ1.9mの複室構造。後室はやや胴張り状で、持ち送りがある。

【装飾の内容】　装飾は赤色顔料で、壁画が各所に描かれている。羨道右側壁に動物と円紋、前室玄紋左袖石の前面に円紋、後室玄門左右袖石の前面と側面に人物、馬、動物、騎馬人物、円紋など、マグサ石前面に同心円紋など、後室左側壁に円紋と同心円紋多数、奥壁鏡石に円紋ほか不明な紋様が描かれている。

【見学情報】　石室は閉鎖されている。

3号墳正面、周囲を囲まれている

石室入口、閉鎖

【所在地】　日田市石井町三丁目1180、国道210号線石井三丁目バス停の北側民家裏にある。

【墳丘・外表施設】　横穴式石室が完全露出していますが、発掘調査により径25.4mの円墳と判明。

【内部施設】　横穴式石室は全長11.2m、後室長4.1m、幅3m、高さ3.4m、前室長1.8m、幅2.5m、高さ2.7mの複室構造で、内部は完存、床面には礫が敷かれている。

【装飾の内容】　巨大な奥壁に円紋、人物、馬、船、飛鳥、８字状紋、Ｘ字状紋、蕨手紋などが赤、緑色で自由奔放に描かれている。また、奥壁前の屍床の仕切石前面にも赤と緑色で縦縞模様が描かれている。蕨手さんによると前室にも赤色顔料が認められるらしい。

【見学情報】　現在整備中であり、将来的に公開されることが期待される。

覆屋の中で修復中の1号墳

奥壁とその前の仕切石の壁画

【所在地】　日田市石井町三丁目、1号墳のすぐ西にある。

【墳丘・外表施設】　径23mの円墳で、1号墳より先に築かれたと思われる。

【内部施設】　横穴式石室は玄室だけが残っていて、玄室長3.3m、幅2.8m、高さ3.0mの両袖式で、玄室はやや胴張り状、奥壁に沿って屍床がある。

【装飾の内容】　巨大な奥壁を全面赤く塗った上から緑色で弓を引く騎馬人物、同心円紋、連続山形紋を描いている。しかし状態は良くない。

【見学情報】　横穴式石室が露出しているが、現在、シートで完全に覆われているので、見学できない。

シートが掛けられ放置中の2号墳

奥壁の壁画

【所在地】　日田市内河野9、県道106号線に標識が出ていて、そこから西へ200m狭い農道を進んだ農地の奧にある。

【墳丘・外表施設】　径12mの円墳。

【内部施設】　横穴式石室は後室長3.1m、幅3m、高さ2.6m、前室長2.6m、幅3.1m、高さ2.1mの複室構造。腰石に丸や三角形の巨石を使用し、ここも奥壁の最上部の石を前に突き出している。

【装飾の内容】　すべて赤・緑色で腰石を中心に描かれ、奥壁鏡石に同心円紋と連続三角紋、後室左側壁に円紋と鳥、前室左側壁に同心円紋、船、両手足を広げた人物、右側壁に同心円紋などが描かれている。前室の同心円紋と船は輪郭線内側が窪められているが状態は良くない。

【見学情報】　石室は施錠されているが、申し込めば見学可能らしい（未確認）。

古墳は覆屋でガードされている

石室入口は封鎖